
ヤマザキマザック株式会社(Mazak)は、工作機械およびレーザ加工機のグローバルリーディングカンパニーです。
世界各国に8,000人以上の従業員と、日本、アメリカ、イギリス、中国、シンガポール、インドの製造拠点を有し、幅広い国際顧客に製品を提供しています。
精密かつ効率的な設計・生産体制を誇る同社ですが、コンテンツ制作とマーケティングの現場では、統一性や迅速性に課題がありました。
各国のウェブサイトは国ごとにバラバラなプロセスで運用されていたのです。その結果、対応の遅延、ブランドメッセージやコンテンツ、デザインの不統一、大量の手作業が発生していました。
転機となったのは、グローバルウェブサイトのリニューアルでした。マザックでは、チームをまとめ、ワークフローを合理化し、各国で一貫性を保てる新しいアプローチを必要としていました。
背景
ウェブサイト刷新が変革の契機に
マザックの従来のコンテンツ運用は分断されていました。20言語におよぶサイトのコンテンツを各国の担当者が手動で運用しており、担当者によるCMSの知識レベルや、翻訳能力の差によって、コンテンツやデザインの水準を合わせること/統一させることが困難でした。
各国共通の翻訳プラットフォームやワークフローは存在せず、コンテンツ更新依頼はメールでやり取りされ、国ごとに更新・翻訳作業を行い、品質もまちまち。進捗の可視化も難しい状態でした。
マザックの販売マーケティング部 部長である西浦洋平氏は次のように語っています。

画像は説明目的のみであり、マザックの従業員、製品、または施設を描写しているわけではありません。
「適切なバランスを見つけるのは本当に大変でした。先進的な地域もあれば、まだ成長途上の地域もありました。しかし、全員の足並みをそろえる必要があり、それは簡単なことではありませんでした」
ー西浦洋平氏(販売マーケティング部 部長)
そうした中、グローバルウェブサイトリニューアルに合わせ、プロジェクトが発足されました。プロジェクトの目標は、属人化によって更新が滞っていた地域のウェブサイトを、新たなシステムの導入により、各国でも運用できるようにすること。マザックは、多言語コンテンツの大規模な運用を可能にし、各販社に負担をかけることなく、コンテンツの標準化と作業の自動化を実現できるソリューションを求めていました。
解決策
自動化と統制を備えたグローバル対応体制
マザックは、コンテンツ運用の変革を支援するために、Adobe Experience Manager(AEM)とPhraseを導入し、コーポレートサイトの刷新がスタートしました。
Phraseは、チームや地域をまたいでコンテンツの作成、翻訳、配信を管理できる言語テクノロジープラットフォームであり、Adobe Experience Managerとの連携により、プロジェクトの作成や通知のワークフローを自動化。手作業やメールでのやり取りを削減しました。
マザック日本本社のグローバルウェブチームは、グローバル共通コンテンツで構成される英語版のマスターサイトをAEMで構築。各国のローカルチームはAEMでコンテンツを作成せず、Phrase上で翻訳をチェック。機械翻訳(MT)が翻訳メモリや用語集と連携して自動的に適用されるので、ローカルチームの必要工数を最小限に抑える環境が整いました。
このプロセスは直感的で柔軟性に富んでいました。Phraseの自動ワークフローとリアルタイムのタスク通知により、プロセスは大きな遅延やボトルネックなく進行しました。
また、ワークフローで担当者に自動の通知メールを送ることで各チームは次に必要なアクションを明確に把握でき、標準化とスピードアップの両立が可能になりました。
「Phraseプラットフォームによって作業負荷が大幅に軽減され、一貫性が向上しました。たとえば、 以前に同じ文章の翻訳をしていた場合、自動で翻訳メモリが適用されます。似ている文章の翻訳結果も確認でき、はるかに効率的になりました」
— 柳生ゆかり氏(ウェブグローバル連携担当)
Phraseが選ばれた理由
技術力と導入支援の両立
Phraseの技術が、自動化・連携といったマザックの要件を満たしていたのはもちろんのこと、導入支援の手厚さも決め手となりました。
翻訳管理システムの運用経験がなかったマザックに対し、Phraseは専任のソリューションアーキテクトをアサインし、AEMとの連携やワークフローの設計・構築を全面的に支援しました。
こうした導入支援により、地域間の信頼関係が強化され、非専門ユーザーでも短期間でプラットフォームを使いこなせるようになりました。
「翻訳管理やCMSとの連携方法について何も知らなかった私たちにとって、Phraseのサポートは不可欠でした。サポートがなければ前に進むことはできなかったと思います」
— 柳生ゆかり氏(ウェブグローバル連携担当)
「以前はすべて手動でメールを送っていましたが、今は自動化されていて、すべてPhraseが処理してくれます。技術に詳しくない海外のチームでも簡単に使えるので、非常に助かっています」
— 田中翔氏(ウェブグローバル連携担当)
導入の成果
スピード、一貫性、拡張性のある運用体制
Phraseの導入により、以下の成果が得られました。

翻訳スピードの向上
機械翻訳、自動化、翻訳メモリの活用により、多言語コンテンツの制作・配信時間を短縮

ブランドの一貫性確保
中央統制とメモリベースの翻訳により、20言語で統一されたブランド表現を実現

業務の効率化
AEMとの連携と自動ワークフローにより、手作業を削減し、地域間での連携を円滑化。多言語対応の準備にかかる時間を削減
グローバル展開の加速
統一プラットフォームにより、20言語・29サイトのウェブサイトを約2年で公開
「Phraseによって、運用が本当にシンプルになりました。このことは当たり前のようでいて、とても大きな変化でした」
— 西浦洋平氏(販売マーケティング部 部長)
今後の展望
AIとハイパーオートメーションへの拡張
多言語ウェブサイトの稼働により、マザックはさらに高度な自動化とAIの活用に向けて準備を進めています。
- Custom AIとPhrase Next GenMTの導入により、文体・品質・一貫性をさらに向上。
- カタログ、動画など他コンテンツ形式への展開
- Auto AdaptやPhrase Orchestratorにより、人の関与を最小化
Phraseは、マザックの多言語コンテンツ運用を、同社製品と同様に精密かつ効率的に支える基盤を提供しています。

画像は説明目的のみであり、マザックの従業員、製品、または施設を描写しているわけではありません。
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