手動翻訳からの脱却

Case study featured image Huawei | Phrase

主にスマホメーカーとして世界中の消費者に知られるHuaweiですが、設立が1987年に遡ることを知って驚く読者もいるかもしれません。現在、Huaweiはスマホやタブレット、ワイヤレスルーターなどのデバイスの他、企業向けのネットワークハードウェアやサービスなどを提供しています。Huaweiモバイルサービスは、Huaweiの完全子会社であるAspiegel SEが提供しています。

統計&ファクト

数字で見るHuawei

80%
翻訳メモリレバレッジ
80%
ターンアラウンドタイムの短縮
20+
言語

課題

旧来のワークフローを近代化

Aspiegel SEとHuawei Europeが最初に採用したローカライゼーションのアプローチは、多くの企業が最初にとる戦略に酷似していました。すべての翻訳が、WordのドキュメントとExcelのスプレッドシートを使用して、人手によって行われていたのです。当然、同社はこのような時間のかかる方法では、新たな市場に進出していく中で求められる規模に対応できないことにすぐに気づきました。この問題を解決するため、ダブリンにあるHuaweiの多言語センターを率いるSergio Llorens Gonzálezは、ワルシャワを拠点とするパートナーのLena Hasiukとともに、同社のニーズを満たすことのできる翻訳管理システム(TMS)を探し始めました。

AspiegelとHuawei Europeは、WordやExcelを使用して人力でファイルを翻訳する必要をなくすことに加え、さまざまなワークフローに対応可能な柔軟性に富むTMSを求めていました。例えば、需要の多い言語の翻訳には、複数の翻訳者とレビュアーによるチームを組んで対応していましたが、他の言語の中にはすべての翻訳を1人の翻訳者で対応していたケースもありました。翻訳が必要なコンテンツには、法律文書とマーケティング文書の両方があり、訳文ファイルの構成要件はプロジェクトによって異なる場合があります。

また、AspiegelとHuawei Europeは他の多くのハイテク企業とは異なり、翻訳会社には外注せずすべてのローカライゼーション業務を社内で行っています。そのため、GonzálezとHasiukは既存のローカライゼーションスタッフが素早く簡単に移行でき、社内での使用に適した機能を備えたTMSを探し始めました。

解決策

Phrase TMS 豊富な機能、短期間での習得が可能

他のTMSソリューションのライブデモセッションに参加し、比較検討を経て、彼らはPhrase TMSを選択しました。Phrase TMSには求めていた機能がすべて備わっていただけでなく、それ以上のものがあったのです。例えば、従来の方法によるローカライゼーションでは機械翻訳(MT)を使用しませんでしたが、Phrase TMSを導入してからはMTを使い始めました。

驚くことに、AspiegelとHuawei Europeは複数のプロジェクトが進行する中、人力によるローカライゼーションプロセスからPhrase TMSに移行するのに1ヶ月も要しませんでした。ローカライゼーションスタッフにPhrase TMSの使い方を教えるために作業を中断することは選択肢にありませんでしたが、問題ありませんでした。それまでCATツールを使ったことがなかったユーザーも含め、誰もが作業しながらソフトの使い方を習得することができたのです。

Phrase TMSを使い始めることは、自転車から自動車に乗り換えるようなものでした。

Sergio Llorens González

ローカライゼーションマネージャ

結果

機械翻訳の活用で納期短縮を実現

AspiegelとHuawei Europeでは、人力翻訳に別れを告げてPhrase TMSに移行して以来、ローカライゼーションプロセスの効率が劇的に改善されました。最も驚異的な改善が見られたのは、利用規約の翻訳です。現在、同社のローカライゼーションスタッフは、利用規約文書の約80%のテキストに翻訳メモリの一致を利用できており、それに伴い納期も80%短縮されています。

マーケティング文書はその性質上、法律文書ほど再利用できないため、同社はこの分野の効率化を図るために機械翻訳を取り入れることにしました。同社の翻訳者とレビュアーは、機械翻訳されたテキストを参考資料として使えると作業しやすいと感じており、MTを使用することでマーケティング翻訳のワークフローを約30%効率化することに成功しています。翻訳者が使えない機械翻訳の数を最小限にとどめるため、AspiegelとHuawei EuropeはPhrase TMSにおけるMTの品質しきい値も引き上げました。

AspiegelとHuawei Europeの事業拡大に伴い、ローカライゼーションチームの翻訳者の数も20名から50名程度にまで増えています。Phrase TMSの選定を担当したLena HasiukとSergio Llorens Gonzálezも、Anna Gawrońskaという新たな仲間を迎えています。Gawrońskaはビジネスオペレーションの専門家として、同社のローカライゼーション業務をまとめています。GawrońskaはPhrase TMSのサポートチームに特に感銘を受けており、Phrase TMSと一緒に仕事をする中で「強く印象に残った」と話しています。彼女は次のように述べています。「対応がとにかく速く、こちらが質問をするといくつかの選択肢を提示してくれます。サポートチームだけでなく、実際にPhrase TMSを使用する人たちと一緒に仕事をしているような気持ちになります」