当初の地域での成功を足がかりに、同社は主要市場で数百万人のプレイヤー向けに発表するライブタイトルのグローバルポートフォリオを構築しました。
事業拡大とともに、差別化の鍵は「体験」へと移っていきました。プレイヤーは、物語の対話やライブイベントのストーリー、UIの更新に至るまで、どの市場でも違和感なく、感情に響く体験を求めています。
その期待に応えるには、全体が一体となって機能するエコシステムが不可欠です。EC InnovationsとPhraseとの緊密なパートナーシップを通じて、同社はプレイヤーを引き込む世界観や物語の一貫性を保ちながら、グローバル展開を続けています。

課題
高まるプレイヤーの期待
同社のグローバル展開は、コンテンツ運用体制の整備を上回るスピードで拡大していました。年間6,000万語以上を、78言語・数十タイトルにわたって処理する体制は、運用面に大きな負荷をもたらしていました。
業務は複数の社内チームと10社以上の外部パートナーに分散していました。原稿は頻繁に更新され、多言語の巨大なスプレッドシート形式で共有されることも多く、手作業による調整負荷が増大し、バージョン不整合のリスクも高まっていました。ライブゲーム特有のスピード感の中で、複数ベンダー間の連携を標準化することは容易ではありませんでした。
ガバナンスも大きな課題となっていました。社内と外部ベンダーそれぞれのパフォーマンス、処理語数の実績、タイトルや市場ごとのコスト配分について、十分な可視性が確保されていませんでした。取扱量の増加に伴い、予測可能性とコスト管理の強化が急務となっていました。
同時に、品質に対する要求も高まっていました。すべての市場で、用語の統一、キャラクターの語調、物語の整合性を維持する必要がありました。特にロマンスやストーリー重視のタイトルでは、文化的な適応が自然でなければ、作品の魅力そのものが損なわれてしまいます。同社には、プレイヤーの信頼を損なうことなく拡張できる運用モデルが求められていました。
解決策
グローバル成長を支えるエコシステム
拡大を続けるポートフォリオを支えるため、同社は20以上のライブタイトルにおける多言語コンテンツの中核パートナーとしてEC Innovationsと提携しました。EC Innovations は翻訳、編集、校正、そしてゲーム内LQA(言語品質評価)を担当し、グローバル展開が進む中でも、用語の統一、キャラクターの語調、そして文化的に自然なストーリーテリングを維持しています。
グローバル展開の基盤として、AI主導の言語テクノロジープラットフォームであるPhraseが採用されました。ツールを増やすのではなく、社内外のチームやパートナーが共通で利用できる単一のコラボレーション環境を構築することに注力しました。その結果、手作業による処理が削減され、ワークフロー、ベンダー、各市場にまたがる運用状況の可視性が大きく向上しました。
エンタープライズ規模での運用統合
同社が大規模なエンタープライズ体制へと移行する中で、翻訳メモリは Phrase に移行され、外部パートナーも同じ運用基盤に参加しました。これにより、ゲームチーム、ECI、その他のベンダーが、統一されたリソースと一貫したワークフローのもとで協業できる環境が整いました。
さらに重要なのは、グローバル展開の進め方を仕組み化できたことです。タイトルごとに異なる方法で管理するのではなく、共通の仕組みの中でプロジェクトを進行できるようになりました。
PhraseとEC Innovationsは一体となったエコシステムとして機能し、同社が高品質なプレイヤー体験を維持しながら迅速に成長するための体制、統制、そして専門性を提供しています。
一貫性とゲーム内品質の拡張
共通のデリバリー環境の中で、構造化されたリソース、統制されたワークフロー、そしてコンテキストに基づく検証を組み合わせることで、品質の拡張が実現されました。
- ECIは主要タイトルごとに、専用の用語データベース、キャラクターの語調ガイド、物語構造のリファレンス資料を整備しました。これらのリソースは ECI のゲーム専門言語チームによって管理され、Phraseの翻訳メモリと用語集の共有機能を通じてリアルタイムに同期されています。その結果、コンテンツ更新が継続的に発生する中でも、キャラクターの語調や物語の整合性がすべての言語で保たれています。
- 品質は、ECI の多段階 TEP(翻訳・編集・校正)プロセスと、実際のゲーム内での言語品質を検証する LQA(言語品質評価)を組み合わせることで強化されています。PhraseのAutoLQAは、潜在的な問題を早期に検出し、手動レビューの負荷を軽減するとともに、QAサイクルの短縮に貢献しています。

プラットフォームと専門パートナーが、顧客の共通目標に向けて連携すれば、拡大は計画通りに進められるようになります。この仕組みによって、プレイヤーのロイヤルティを支える体験価値を守りながら、グローバル展開を進めるための共通基盤が整いました。
Edmund Ovington
VPグローバルパートナーシップ&エコシステム、Phrase
ガバナンスとコスト管理の強化
社内再編に伴い、アカウント管理は社内のコンテンツサービス部門へ移管されました。これにより、従来の一括予算管理から、利用量に応じた従量課金モデルへと移行しました。
各ゲームタイトルや事業部門は、あらかじめ設定された処理語数の枠を契約し、その利用状況はPhraseの Advanced Analyticsで可視化されています。これにより、支出を制作量と直接連動させることができ、コストの予測精度が向上するとともに、ベンダー管理の透明性も強化されました。

Phrase APIを通じたCMS連携により、プロジェクトは自動で作成されるようになり、手作業を減らしながら、頻繁なアップデートにも迅速に対応できる体制が整いました。

社内のコンテンツサービスチームは現在も運用モデルの高度化を進めており、ワークフローの最適化や分析・品質自動化の強化によって、さらなる拡張に備えています。
実績データ
60%
タイトル全体でのゲーム内言語品質の向上率
99%
用語の一貫性
98%
複数タイトルでの LQA スコア
成果
拡張を前提とした運用モデル
両社による共同体制は、運用面とプレイヤー体験の双方で大きな成果を生みました。分散的だった調整業務は、統制の取れたグローバル運用体制へと進化しました。Phraseにより、プロジェクトは共通基盤上で進行できるようになり、ベンダーとの連携も明確化。タイトル・言語・パートナー別の利用状況やコストも可視化されています。
- ECIの品質管理モデルは、Phrase Platform上で大規模に運用され、チームやベンダーを横断した共通環境が実現しています。
- Phraseの翻訳メモリと用語ベースの共有機能により、タイトルや市場を超えて用語の統一が保たれ、キャラクターの個性や物語の整合性も各言語で維持されています。
- 翻訳・編集・校正の多段階プロセスに加え、ECIのゲーム内LQAによって、実際のプレイ環境で最も重要な品質が守られています。PhraseのAutoLQAは問題を早期に検出し、手作業での確認負担を軽減しています。
- Advanced Analyticsにより、処理語数の利用状況、ベンダーのパフォーマンス、タイトル・言語別のコストが明確に把握できます。これが従量課金モデルの運用と、より厳格な管理体制を支えています。
- Phrase APIを介したCMSの統合機能により、頻繁な更新が自動化され、手動処理が減り、処理速度が向上しました。
- 現在はさらに活用範囲を広げており、ベンダー権限管理やエラー防止のための Phrase Orchestrator、スクリーンショットが多い業務向けのPhrase Strings(Job Sync 機能)、プロモーション動画の字幕やボイスオーバー対応を見据えた Phrase Studioの検証も進めています。
こうした品質向上の成果は、市場でも明確に評価されています。日本では、新規リリースタイトルが iOS と Google Play の両方でランキング上位に入り、ユーザーからは「神翻訳」と称賛されました。
プレイヤーからの評価は、言語品質が体験価値に直結していることを改めて示しています。
同社は現在、需要拡大に応じて拡張可能な運用基盤を確立しながら、プレイヤーが最も重視する「自然で違和感のない体験」を守り続けています。

「素晴らしい。しかもインドネシア語でも遊べるなんて。インドネシア語に対応しているRPGは本当に少ない。」
ゲーマー、インドネシア
私たちのクライアントは急成長しており、コンテンツの需要は今後さらに高まる見込みです。ECIとPhraseのエコシステムは、一致性が保たれ、ガバナンスが行き届き、プレイヤーを最優先の運用を維持できる再現性の高いモデルです。このパートナーシップにより、事業拡大とプレイヤー体験の両立が可能になっています。
Lincoln Gong、ゲーム部門責任者、EC Innovations。

今後の展望
EC Innovations と Phrase による共同モデルは、コンテンツ量や市場展開、ライブ更新の増加に合わせてさらに進化を続けています。自動化と品質モニタリングは、現在の検証段階を超えて拡張され、より迅速な意思決定と早期の課題発見を可能にしていきます。また、エコシステムの拡大に伴い、ガバナンス体制もさらに成熟し、継続的な可視性と運用の安定性が確保されていきます。
この枠組みのもと、両社の連携はさらに深化していきます。ECIは物語設計支援やゲーム内品質評価、文化適応の手法をさらに洗練させ、Phraseは分析機能、ワークフロー統合、AI による品質支援を通じて、共通基盤の進化を推進していきます。
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