「プロダクト」の定義は加速度的に広がりを見せています。今日、製品=プロダクトという言葉にはモバイルアプリからウェブサイトまで、あらゆるものが含まれます。プロダクトの販売方法も大きく変化しています。ボタンをクリックするだけで、世界中のどこにいても潜在的なお客様にオンラインでリーチできるようになりました。
同時に、広大なグローバル市場に参入するには、言語の壁を取り払い、製品をさまざまな文化圏の人々がアクセスできるようにすることが重要です。しかし、プロダクトの説明資料、ウェブページ、マーケティング資料をある言語から別の言語に単に訳すだけでは十分ではありません。
自社プロダクトをグローバル市場向けに適応させるには、「ローカライズ」が必要です。始めに、このガイドでは、プロダクトローカライズがグローバルビジネスにとってなぜ重要なのか、単なる翻訳とどのように異なるのか、自社プロダクトにローカライズを効果的に活用するための戦略について説明します。
プロダクトローカライゼーションとは?
プロダクトローカライゼーションは、製品やサービスを特定のターゲット市場のお客様の文化や言語に適応させるプロセスです。これには、UI要素や技術文書の翻訳から、マーケティング資料やウェブやモバイルアプリのローカライズまで、すべてが含まれます。
プロダクトローカライゼーションの目的は、プロダクトが翻訳・調整したものではなく、最初からその市場向けに設計されたかのように感じられる体験を実現することです。これにより、複数の新しい市場に同時に、かつより迅速に参入することができるようになります。
プロダクトローカライゼーションが重要な理由
英語を話す人にとっては、日常的に使う Web サイトや製品の多くが英語で提供されているのが当たり前かもしれません。そのため、ローカライゼーションの必要性は、すぐには実感しにくいかもしれません。しかし実際には、世界人口の20%未満しか英語を十分に理解できないのが現状です。
プロダクトを世界中のユーザーに届けたいと考えるなら、ローカライゼーションに取り組まなければ、膨大な潜在市場を逃してしまうことになります。ローカライゼーションを行うことで、英語を第一言語としない80%の人々を惹きつけ、コンバージョンにつなげやすくなります。調査によると、顧客の76%は、自分の言語で情報が提供されている製品の購入を好むことが分かっています。
たとえオーディエンスの一部が英語に堪能であっても、相手の言語で伝えようとする姿勢は、多くの場合ポジティブに受け取られます。これは「味方か敵か」を見分けるテストのようなものです。相手の立場に立ち、あえて一歩踏み込んでコミュニケーションを取ろうとすれば、警戒心は和らぎ、信頼が生まれ、次のステップへ進んでもらえる可能性が高まります。
同じ理由から、プロダクトをローカライズすることと同じくらい重要なのが、「正しく」ローカライズすることです。そうでなければ、ローカライズされたバージョンが不自然に感じられたり、場合によっては不信感を抱かせてしまうこともあります。実際、残念な結果を招いたローカライゼーションの失敗例は数多く存在します。
プロダクトローカライゼーションの主なメリットは?
確立された製品ローカライズプロセスにより、より効果的な市場投入戦略を実現し、市場投入までの時間を短縮し、最終的には収益を増加させることができます。
より効果的な市場投入戦略
ビジネスを新しい市場へ拡大することは、多くのリスクや課題を伴う大きな決断です。しかし、正しく取り組めば、その見返りは非常に大きなものになります。成功する市場投入戦略は、適切なタイミングで、適切なターゲットに、適切なメッセージを確実に届けることを可能にします。その結果、顧客体験全体が向上し、ビジネスにおける競争優位性の確立につながります。そこで重要になるのが、プロダクトローカライゼーションです。
プロダクトをローカライズするプロセスでは、ターゲット市場に関する重要な問いを通じて、市場における自社のポジショニングを明確に定義する必要があります。ターゲットは誰なのか?その人たちは何を必要としているのか?どのようにすれば、最も効果的に届けられるのか?これらの問いへの答えは、ローカライズされたプロダクトの形を決めるだけでなく、市場投入戦略全体の方向性にも大きな影響を与えます。
市場投入までのスピード向上
ビジネスにおいて、スピードは極めて重要な要素です。プロダクトをできるだけ早く市場に投入することで、収益化やユーザーからのフィードバックをより迅速に得ることができます。また、すでに市場で確立されたプロダクトであっても、新機能や新製品をいち早く市場に投入できるかどうかは、成功に大きな影響を与えます。プロダクトローカライゼーションも、正しい進め方をすれば、こうした目標の達成を後押しします。
よくある誤りは、プロダクトが完成してからローカライゼーションを始めてしまうことです。この場合、新しい言語でうまく機能しない部分が見つかると、コードや UI の修正が必要になり、結果として市場投入が遅れてしまいます。
一方で、「最初からローカライズする」アプローチを採用し、明確なローカライゼーション戦略を策定したうえで、開発初日からローカライゼーションをプロセスに組み込めば、新しい市場への展開をはるかに迅速に進めることができます。これは、ローカライゼーションを支えるインフラやプロセスがすでに整っているため、新しい市場ごとに必要な作業が少なくて済むからです。
収益の向上
最終的に、プロダクトローカライゼーションは収益の増加につながります。「読めなければ、買われない」という考え方は感覚的なものではなく、数字に裏付けられた事実です。実際、消費者の 3 分の 1 以上が、自分の言語で情報が提供されているブランドから購入する可能性が高いことが分かっています。さらに、ローカライゼーションに取り組む企業は、一度獲得した顧客をより長く維持できるというメリットも得られます。
ただし、その影響はそれだけにとどまりません。ユーザー獲得と同じくらい重要なのが、利用の定着(アダプション)です。ユーザー体験(UX)が「どこかから翻訳されたもの」のように感じられ、使いづらいと感じられてしまえば、ユーザーはそのプロダクトを使い続けず、再び戻ってくる可能性は低くなります。言い換えれば、ローカライゼーションは新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の維持にも不可欠であり、その両方がビジネスの収益に直結します。
プロダクトローカライゼーションはどのように進めるか?
プロダクトローカライゼーションには、多くの要素が関わります。翻訳に向けたコードの準備、ローカライゼーションプロセスそのものの管理、さらにテストや保守に至るまで、考慮すべき点は多岐にわたります。ローカライゼーションに何が含まれるのかを理解するために、まずはプロダクトローカライゼーションを構成する主な要素を見ていきましょう。
国際化(Internationalization):ローカライゼーションに対応できるプロダクトを準備する
ローカライゼーションを検討する前に、まず必要となるのが国際化です。国際化(Internationalization/i18n)とは、最初から複数の言語に対応できるように、プロダクトを設計・構築することを指します。このプロセスの目的は、後からスムーズにローカライゼーションを行える状態にプロダクトを整えることにあります。
国際化には、適切な文字エンコーディングの使用(UTF-8 は安全な選択肢です)、右から左に読む言語(RTL)への対応、後から翻訳しやすいようにハードコードされた文字列を識別子として外部に書き出すためのフレームワーク選定などが含まれます。
実際のプロダクトローカライゼーション:ソフトウェア、Web サイト、マーケティング資料、ドキュメントの適応
製品が異なる言語やファイル形式に対応できるように設計されていることを確認したら、いよいよローカライズを開始する時です。ローカライズすべき主な要素:
ソフトウェアローカライズ
プロダクトローカライゼーションにおいて、最も重要なのがソフトウェアローカライゼーションです。実際のソフトウェア製品が適切にローカライズされていなければ、他のローカライゼーション施策に力を入れても、その効果は限定的になってしまいます。
そのため、UI 要素、スプラッシュスクリーン、アプリ内ツールチップ、その他プロダクト内のテキストすべてを、ターゲット市場にとって自然で分かりやすい形に適応させる必要があります。また、単位(計量単位)、日付形式、通貨などを、各地域の慣習や標準に合わせて調整することも含まれます。
u003cp style=u0022text-align: left;u0022u003e🗒 u003cemu003eTip »u003c/emu003e Iプロダクトがモバイルアプリの場合は、国際市場に対応するための追加要件も考慮しなければなりません。たとえば、アプリの更新のたびに再ダウンロードを強いることなく、すべての言語でコピーを最新の状態に保つことは、<a href=”https://phrase.com/blog/posts/mobile-app-localization-why-and-how/”>アプリのローカライゼーション</a>において非常に重要なポイントです。
ウェブサイトローカライゼーション
ウェブサイトは、潜在的な顧客がプロダクトに触れる最初の接点となることがほとんどです。訪問者がトップページの段階で離脱してしまえば、プロダクトそのものを見てもらうことすらできません。
だからこそ、ウェブサイトのローカライゼーション を重要な取り組みとして捉え、すべてのページを適切にローカライズすることが不可欠です。ここでも、すべてのテキストコンテンツをターゲット言語に翻訳することに加え、画像や動画などのビジュアル要素も適切に調整する必要があります。
u003cp style=u0022text-align: left;u0022u003e🗒 u003cemu003eTip » u003c/emu003eヒント »</i>ブログなどの動的コンテンツを Web サイトに掲載している場合は、ユーザーの所在地を自動的に検出し、言語だけでなく、計量単位や通貨なども含めて最適なバージョンを表示する統合機能の利用を検討するとよいでしょうu003c/pu003e
マーケティングのローカライゼーション
マーケティングのローカライゼーション は、単にマーケティング資料を外国語に翻訳することではありません。ターゲット市場を深く理解し、その文化的背景に響く形でメッセージを最適化することです。
これには、新しいタグラインやスローガンの開発から、特定の市場向けにゼロから広告キャンペーンを設計することまで、幅広い取り組みが含まれます。場合によっては、現地の好みにより適した、まったく新しいブランドアイデンティティを構築しなければならない場合もあります。
u003cp style=u0022text-align: left;u0022u003e🗒 u003cemu003eTip »u003c/emu003e u003ca href=u0022https://phrase.com/blog/posts/transcreation-marketing-across-cultures/u0022u003eトランスクリエーション(Transcreation)</a>は、マーケティングローカライゼーションの中でも特に専門性の高い手法です。単なる翻訳を超えて、ターゲット市場の文化に合う形で、元のメッセージを再創造することに重点を置きます。ローカライゼーションとは異なり、トランスクリエーションは通常、翻訳者ではなくコピーライターによって行われます。
プロダクトドキュメントのローカライゼーション
最後に見落としてはならないのが、プロダクトドキュメントやサポートコンテンツのローカライゼーションです。これには、ユーザーマニュアル、使い方動画、FAQ などが含まれます。
一見すると、手間の割に得られる効果が小さいように思えるかもしれません。しかし、多言語でカスタマーサポートを提供できることは、顧客維持において非常に重要な要素です。多くのユーザーは、これらのコンテンツを通じてプロダクトの使い方を理解し、安心して利用できるようになります。その結果、自力で問題を解決できるケースが増え、サポートへの問い合わせ自体も減少します。
一方で、ローカライゼーションが不十分なドキュメントは、気づかれにくい形で顧客の離反やサポートコストの増加を招く要因にもなります。だからこそ、作業が大変に感じられたとしても、正しく丁寧に取り組むことが重要です。
u003cp style=u0022text-align: left;u0022u003e🗒 u003cemu003eTip »u003c/emu003e また、プロダクト UI 内の「詳しく見る」などのリンクボタンについても、ユーザーが必ずローカライズされたドキュメントに遷移するよう設定されているかを確認しておきましょう。u003c/pu003e
ローカライゼーションテストと QA(LQA)
ローカライゼーションテストと QA(品質保証、業界では LQA とも呼ばれます)は、ローカライゼーションプロセスにおいて不可欠な工程です。すべてのローカライズ版プロダクトが機能的に同等であること、翻訳されたテキストが正確でエラーのないものであることを確認する必要があります。
LQA とは、特定のプロダクトビルド(例:モバイルアプリや Web サイト)が、すべての市場で期待どおりに動作し、現地のユーザーの文化的・言語的・技術的な期待を満たしているかを、リリース前に検証するプロセスです。LQA は言語ごとに実施され、計画的に行われます。
ローカライゼーションテストには、機能テスト、言語テスト、地域別テストの 3 種類があります。品質を包括的に保証するためには、これらすべてを組み合わせて実施することが重要です。包括的なローカライゼーションテストでは、プロダクトが以下の観点から期待通りに動作しているかを確認します。
- 文字列、プレースホルダー、文字列の結合処理
- 地域で使用されるハードウェアとのソフトウェアの互換性
- 読み込み時間と応答性
- 画像、色、およびその他の視覚要素の文化的適切性
- 翻訳されたコンテンツの言語的正確さと流暢さ
- 完全な翻訳と正しい文脈の提供
- ユーザージャーニーとカスタマーエクスペリエンス
- 地域特有の機能およびコンプライアンス(例:EUのGDPR)
- 通貨、日付、時刻の表記形式
u003cp style=u0022text-align: left;u0022u003e🗒 u003cemu003eTip »u003c/emu003e ローカライゼーションテストは、それ自体が非常に奥深いテーマであり、必要なテストはプロダクトやターゲット市場によって異なります。そのため、詳細については、専用のガイドやリソースを確認することをおすすめします。 u003ca href=u0022https://phrase.com/blog/posts/why-you-should-give-localization-testing-top-priority/u0022u003eguide to localization testing and QAu003c/au003e.u003c/pu003e
ローカライゼーションに成功しているプロダクトの例とは?
プロダクトローカライゼーションにこれから取り組む場合でも、すでに戦略を見直したい場合でも、ローカライゼーションに成功しているグローバル企業の事例を参考にすることは有益です。以下にいくつかの注目すべき例を挙げます。
Netflix
Netflix は、グローバル市場向けのプロダクトローカライゼーションに成功している代表的な企業です。1997 年のサービス開始当初、Netflix はアメリカ国内のみで提供されていました。
2022年現在、彼らは190か国で事業を展開しており、今後もさらなる拡大を計画しています。このグローバル展開を支えるために、Netflixはユーザーインターフェース(UI)とコンテンツの両面でローカライゼーションに多大な投資を行ってきました。さらに、ローカライゼーションプロセスを自動化するために、「Hydra」と呼ばれる独自のシステムまで開発しています。
Netflixには、ローカライゼーションの専門チームも存在し、コンテンツ制作者と密に連携しながら、すべての新作タイトルが各市場に適切にローカライズされるよう取り組んでいます。また、字幕や吹き替えも約30言語で提供しています。
こうしたローカライゼーションへの継続的な取り組みの結果、Netflix は現在、世界中で 2 億人以上のサブスクリプション登録者を抱えるまでに成長しました。Netflix のローカライゼーション戦略については、同社のブログで詳しく紹介されています。
Airbnb
プロダクトそのものが「ローカルな体験」に根ざしている Airbnb にとって、ローカライゼーションを正しく行うことは極めて重要です。そして Airbnb は、これまで各市場のニーズに合わせてプラットフォームを適応させるうえで、非常に優れた取り組みを行ってきました。Airbnbは、サイトとアプリを62言語で提供しており、今後もさらに対応言語を増やす予定です。

Airbnb ローカライゼーション責任者 Salvo Giammarresi 氏は、次のように述べています。「Airbnb ではローカライゼーションを、文化的に適切で、地域に根ざしつつ、グローバルで一貫性のあるプロダクトやサービスを、大規模に意図的に創り出すことだと定義しています。」まさにそのとおりと言えるでしょう。
PUBG
幅広いユーザーに向けてプロダクトをローカライズすることと、ビデオゲームをローカライズすることは、まったく別次元の難しさがあります。ゲーム分野では、ローカライゼーションを誤ると大きな問題に発展することも珍しくありません。実際、PUBG はバトルロイヤルゲームの新機能がアラブ圏で公開された際、大きな反発に直面しました。
問題となったのは?その機能が偶像崇拝をテーマにしており、これはイスラム教では禁じられている行為だったことです。その結果、PUBG のムスリムユーザーの間で大きな波紋を呼びました。
この反応を受け、PUBG は迅速に謝罪を表明し、該当する機能をゲームから削除しました。これは確かに PR 上の大きな痛手でしたが、同時に、一見「ユニバーサル」に見えるプロダクトであっても、ローカライゼーションがいかに重要かを示す好例でもあります。
ビデオゲームのローカライゼーションは、文化的に非常に繊細な領域を扱うため、決して簡単ではありません。それでも PUBG の開発チームは、こうした困難を乗り越えながら、約 20 言語でゲームを提供しており、全体としてはローカライゼーションにおいて高い水準を維持していると言えるでしょう。特に、若年層をターゲットとしたプロダクトを展開している場合、PUBG の経験から学べる点は多くあります。
ローカライゼーションをプロダクト開発プロセスに組み込むには?
ここまで、プロダクトローカライゼーションに成功している企業の事例をいくつか見てきました。次は、ローカライゼーションをどのようにプロダクト開発プロセスに組み込んでいくかについて、より実践的に見ていきましょう。
プロダクトローカライゼーションの主なアプローチ
ローカライゼーションには、大きく分けて ウォーターフォール型 と アジャイル型 の 2 つのアプローチがあります。継続的ローカライゼーションは、アジャイル型の最終形とも言えます。
ウォーターフォール型アプローチ
ウォーターフォール型のローカライゼーションは、より従来型の手法です。このモデルでは、プロダクトやサービスのすべてのコンテンツを、いずれの市場でもリリースする前にまとめて翻訳します。
この方法は、時間とコストがかかりやすいという側面があり、近年のアジャイル開発を採用するチームの間では、あまり好まれない傾向にあります。しかし、公開前にすべてのコンテンツが適切にローカライズされるという利点があります。
ウォーターフォール方式を選択する場合は、開発プロセスの早い段階からローカライゼーションの計画を立てることが重要です。そうすることで、すべてのコンテンツを十分な時間をかけて翻訳し、各市場のローカライゼーション要件を満たしているかを確認する余裕が生まれます。
アジャイル型アプローチ
アジャイル型のローカライゼーションは、より現代的で柔軟な手法です。このモデルでは、翻訳が完了したコンテンツから小さな単位で順次リリースしていきます。そのため、すべてのコンテンツが翻訳されるのを待つ必要がないため、プロダクトやサービスをより早く市場に投入できます。
また、アジャイルローカリゼーションは、市場の変化にも迅速に対応できます。予期せぬ出来事が起きた場合でも、ユーザーからのフィードバックをもとに、ローカライゼーション戦略を素早く調整することが可能です。
アジャイル型アプローチを採用する場合は、柔軟性の高いローカライゼーションツールを導入することが重要です。これにより、翻訳プロセスを効率的に管理し、すべてのコンテンツを一貫性を保った形でローカライズできます。
継続的アプローチ
継続的ローカライゼーションは、アジャイルローカライゼーションの最終形とも言えるアプローチです。このモデルでは、すべてのコンテンツは作成され次第、すぐに翻訳されます。そのため、プロダクトやサービスは、コンテンツが翻訳されるのを待つ必要がないため、常にすべての市場で利用可能です。
一方で、継続的ローカライゼーションを実現するには、開発チームとローカライゼーションチームの高度な連携が不可欠です。また、大量のコンテンツを処理できる、強力なローカライゼーションプラットフォームも必要となります。
このアプローチを採用する場合は、両チーム間のワークフローを明確に理解し、全員が同じ認識を持ったうえで、効率的に翻訳が進む体制を整えることが重要です。
プロダクトローカライゼーション管理におけるテクノロジーの役割
どのローカライゼーションアプローチを選択するにしても、適切なローカライゼーションツールの導入が肝要です。ツールを活用することで、翻訳プロセスが管理しやすくなり、各市場に向けてコンテンツを正しくローカライズできます。
Nimdzi Insightsによる最近のレポートによると、現在の言語テクノロジー市場には 700 を超えるソリューションが存在しています。そのため、自社に最適なツールを見極めるのは簡単ではありません。ここでは、ローカライゼーション技術を選定する際に注目すべき主な機能とメリットを紹介します。
- 翻訳メモリとは、過去に翻訳されたコンテンツを蓄積するデータベースです。既存の翻訳を再利用できるため、翻訳者の作業効率が向上し、同じコンテンツを複数回翻訳するための費用や労力を削減でき、時間とコストの削減につながります。また、同じような内容が常に同じ表現で翻訳されるため、翻訳の一貫性を保つうえでも非常に有効です。
- 用語ベースは、プロジェクトで使用される用語を一元管理する仕組みです。、将来のプロジェクトで再利用できるようにします。これにより、人によるチェック作業を減らせるほか、用語の変更履歴を追跡したり、プロジェクト間で表現の統一を図ることができます。特に、大規模または複雑なプロジェクトでは、ブランド固有・プロジェクト固有の用語を検索できる点が大きなメリットになります。
- コンテンツ統合機能 は、アジャイルなローカライゼーションを実現するために欠かせない機能です。アジャイルにローカライゼーションを進めるためには、コンテンツはさまざまなシステム間を自由に行き来できる必要があります。ローカライゼーションツールは、CMS、CRM、EC プラットフォームなど、既存の技術スタックと連携できる必要があります。これにより、手作業を介さずに翻訳・公開が可能となり、時間短縮とミス削減につながります。
- プロジェクト管理機能により、ローカライゼーションプロジェクトのすべてを一元管理できます。タスクの割り当て、進捗確認、期限管理、関係者への通知などが可能になり、全体の状況を常に把握できます。プロジェクト管理機能を使うことで、ローカライゼーションプロジェクト全体を常に把握でき、すべてが計画どおりに進んでいるかを確認しやすくなります。一元管理されたプロジェクトでは、翻訳者ごとの進捗やボトルネックの特定もしやすくなります。
- レポートと分析機能は、ローカライゼーションの成果を可視化するために重要です。翻訳品質、所要時間、翻訳者の生産性などのデータをもとに、プロセスの改善やコスト管理が可能になります。レポートと分析機能を活用することで、プロジェクトを期限内かつ予算内で完了させ、関係者に最新状況を共有しながら、ローカライゼーションプロセス全体を最適化できます。測定しないものは改善できませんので、ローカライズプロジェクトに関する包括的なデータを提供するローカライズツールを選ぶことが重要です。
- 機械翻訳機能(MT) は、ローカライズツールを選ぶ際に考慮すべき最終的な要素です。機械翻訳を活用すれば、翻訳スピードを大幅に向上できます。必要なポストエディットの量は、コンテンツの重要度や用途、専門性によって異なります。例えば、スピードが求められる場合や、大量のコンテンツを翻訳する場合には、機械翻訳は大きな武器となります。そのため、最先端のAI駆動型MT機能を備えたツールの選択がおすすめです。
プロダクトローカリゼーションにあたっては、さまざまな技術が使用できます。最適なローカリゼーションツールは、プロジェクトの規模や複雑さ、予算、納期などによって異なります。すべてのツールが同じではないので、自社のワークフローに適したツールを選ぶことが重要です。
多くのグローバル企業では、翻訳管理システム(TMS)を使ってローカリゼーションを管理しています。TMS は、翻訳依頼からプロジェクト完了までのワークフローを構築し、ユーザーが翻訳プロジェクトを計画、割り当て、管理できるようにするクラウド型プラットフォームです。
優れたTMSでは、プロジェクトや部門、チームのニーズに合わせ、独自のワークフローを作り、柔軟にカスタマイズすることができます。また、高い拡張性を備え、ビジネスの成長とともにスケールします。
プロダクトローカリゼーションを成功に導くために
プロダクトローカリゼーションは、慎重な計画と実行が求められる複雑なプロセスです。しかし、ローカライズのよくある課題 を解決し、適切に行えば、想像以上にやりがいがあり、成果も大きい取り組みとなります。適切にローカライズされたプロダクトは、海外市場で成功する可能性が高まり、潜在顧客にとっても魅力的に映ります。
プロダクトローカリゼーションを計画する際、結果にに影響を与えるすべての要因を考えることが重要です。これには、適切なローカリゼーション戦略の選択、自社に合ったツールの導入、開発チームとローカリゼーションチーム間のワークフローの理解が欠かせません。
国際化からリリース、その後の運用に至るまで、ローカリゼーションをプロダクト開発プロセスに組み込むことで、グローバル成長目標に一歩近づくことができます。

Phrase Localization Platformでグローバルビジネスを実現
高品質、高速、スケーラブルなローカリゼーションを実現するために必要なすべてのツールを、1つのテクノロジースイートで提供し、新しい市場への進出をサポートします。





